トウモロコシ(またはメイズ)、米、ミレット(アワ、キビ)およびソルガムなどの穀物にグリアジンは含有されていません。これらは一般に「グルテンフリー」と呼ばれ、セリアック病の患者さんや小麦グルテン過敏症のペットに安全な食物です。
穀物 | グルテン過敏症 に対する安全性 |
小麦 | ✖ |
大麦 | ✖ |
ライ麦 | ✖ |
ライ麦小麦 | ✖ |
オーツ麦 | ? |
トウモロコシ、メイズ | ✔ |
ミレット | ✔ |
米 | ✔ |
ソルガム | ✔ |
詳しくはこちらを読んでください。↓
ここからが本当に伝えたいこと…
米国食品薬品局(FDA)らは、穀物を含まない食事、豆類の多い食事(エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆など)、じゃがいも、さつまいも に関連していると考えられる動物の続発性拡張型心筋症(DCM)を調査しています。食事関連DCM(daDCM)の原因は不明ですが、これらの食事に含まれる成分に起因する欠乏または毒性によるものである可能性があると推測されています。一般的に、進行性疾患である続発性DCMとは対照的に、dsDCMを患う犬の多くは、食事を変更した後に心臓の大きさと機能が改善し、さらには心臓病が治り、生存期間も長くなります。
2020年7月時点で、dsDCM疑いのある猫が20匹以上も報告されています。それらの猫はタウリン濃度が正常であるにも関わらず、1部の猫は食事を変更することで改善したことが分かっています。
以下の論文は、高大豆食と低大豆食を与えた猫の心機能を調べたものです。
その結果、高大豆食を食べた猫は摂取期間が長くなると左心室壁厚が薄くなることが示されました。
Comparison of echocardiography, biomarkers and taurine concentrations in cats eating high- or low-pulse diets
J Feline Med Surg. 2023 Feb;25(2):1098612X231154859.
次の論文は、11歳の雌猫が重度の拡張型心筋症とうっ血心不全と診断された。この猫は豆類(エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆)を多く含むキャットフードを食べていた。心臓病薬の投与と食事の変更後、臨床症状は改善した。
Dilated cardiomyopathy of possible dietary origin in a cat
J Vet Cardiol. 2024 Feb:51:172-178. doi: 10.1016/j.jvc.2023.11.003.
このように、近年、グレインフリーのフードによる心臓病疾患の可能性が示唆される症例が報告されるようになっているので、原因が分かるまでは、アレルギーなどがないなら、出来るなら普通の総合栄養食をあげた方が無難だと思いました。
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約70種とたくさんある豆類。どのような種類があるのでしょうか?
栄養構成で見ると「炭水化物グループ」・「脂質グループ」と、大きく2つのグループに分かれます。
<炭水化物グループ>
小豆・ひよこ豆・レンズ豆・ささげ・えんどう・そら豆など
特徴:乾燥豆の重量の約50%以上が炭水化物。
タンパク質も約20%と豊富。
脂質は約2%と少なめ。
<脂質グループ>
大豆・落花生(ピーナッツ)
特徴:脂質は、大豆(乾燥豆)が重量の約20%と多め、さらに落花生(乾燥豆)は約50%とかなり高め。
タンパク質は、大豆が約30%以上と非常に多く、落花生も約25%と多め。
大豆の炭水化物は、約30%と少なめ。
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