tama’s diary

慢性腎臓病の猫の治療記録

膵炎の検査

膵炎の原因はよく解っていませんが、嘔吐・下痢・食欲不振を起こし、重篤化すると死に至ることもある病気です。

膵炎の診断には超音波検査も使用されますが、熟練した獣医が検査しても犬で68%、猫にいたっては10~38%しか診断できないのが現状です。
しかも、重度の膵炎の場合でこの診断率ですから、軽度から中等度の膵炎では超音波上変化も乏しく、さらに診断率が下がることになります。
一般的な血液検査では犬でアミラーゼ・リパーゼが上昇しますが他の疾患でも上昇することがあり、確定診断には至りません。
猫ではアミラーゼ・リパーゼは診断マーカーにはならず、これまで膵炎の診断に苦慮しておりました。
数年前から、日本でも血清で膵臓特異的リパーゼの測定が検査機関でできるようになりましたので、膵炎の診断率が格段に上昇しました。
その検査では、重症度にかかわらず膵炎であると診断できる確率(感度)は71%で、膵炎でないと診断できる確率(特異度)は100%と膵炎の除外診断に優れたマーカーです。
ちなみに、アミラーゼは感度14%、特異度100%。リパーゼは感度71%特異度43%。
つまり、アミラーゼは上昇していても膵炎ではなかったり、
リパーゼは値が低くても膵炎ではないと言い切れない(軽度~中等度の膵炎が分からない)検査だということです。

https://rose-vet.pro/index.php?%E2%97%8F%E8%86%B5%E7%82%8E%E2%97%8F