tama’s diary

慢性腎臓病の猫の治療記録

猫の尿結石症に関して Q&A

Q1. 尿結石症の猫は将来、腎臓病になりやすい傾向があるということでしょうか?

A1. 広い意味ではなりやすい傾向はある。膀胱に結石があるだけならあまり関係ないかもしれない。尿路結石は、腎臓・尿管・膀胱・尿道の4つの部分にできる。腎臓に結石があれば当然腎臓の機能を落とす。小さいの1個なら関係ないけど、沢山有ったり大きければ影響を及ぼす。尿管結石があると腎臓にはもろ影響があるので当然腎臓病になりやすくなる。膀胱に1個だけならあんまり関係ないかもしれないが、それが尿道に流れていき詰まると腎臓に影響が出てくる。

Q2. 「結石がなく結晶だけなら治療しなくていい」と聞きました。少し結晶が出るくらいはいいと思いますが…沢山出ていたら結石の元になると思うのですが、、、どのように考えたらよろしいでしょうか?

A2. 顕微鏡で見て少し出ているなら大丈夫だけど、ザラザラ沢山出ていると結晶自体が尿道が詰まりやすくなるので治療をした方がよいと思う。

Q3. これまで、結晶尿が続くから、あるときそれが原因で結石が出来ると考えていましたが、あっていますでしょうか?

A3. 基本的には結晶尿が結石の原因ではありません。もちろん関与はしますが、結晶尿ができるという状況によって大きく変化します。

食後、偏った食事(人のもの、多量のおやつなど)、膀胱炎があるなどでは、結晶尿を示しやすく、特に膀胱炎がある場合には結石の原因になります。結晶というよりも、これらの問題があればそっちを改善すべきでしょう。何もなければ、特に気にする必要はありませんが、心配ということであれば、水分をよく摂る(ウェットフードやこまめな給水)、排尿回数を増やす(トイレを清潔にする、散歩によくいくなど)といった対応がよいかと思います。結晶がなくとも、これらの対応は将来的な結石、膀胱炎などの尿路疾患の予防にもなります。

Q4.  pHが高いと結石が出来やすくなってしまうように思いますが、、、食後でないときはなるべくpH7以下の方がいいでしょうか?

A4. ストラバイトはpHが高いと出来やすいと言われているが、単純にpHだけではなくて、マグネシウムの濃度が関係しているので、pHはあくまで目安。単純にpHが高いとだめで低ければOKというものではない。pHは概ね傾向があったとしてもそれがすべてではない。あまりpHだけに拘らない方がいい。

Q5. ストルバイト結晶、ストルバイト結石は膀胱で作られることが多いですか?腎臓の結石はシュウ酸カルシウムが多くて、ストルバイト結石は少ないですか?

A5. 腎臓には、シュウ酸カルシウムが非常に多く(96%がシュウ酸カルシウム結石)、尿酸アンモニウムもたまにできます。ストルバイトはほとんど腎臓には形成されません。

膀胱ではストルバイトが一番多く、シュウ酸カルシウムおよびリン酸カルシウムが続きます。

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膀胱炎はどんな病気?
体の中でおしっこをためる役割をしている「膀胱」で、さまざまな原因によって炎症が起きる病気です。膀胱炎になると血尿や頻尿、トイレで痛そうに鳴く、トイレ以外でおしっこをしてしまうなどの症状がでます。

膀胱炎は繰り返しやすく、様子を見てしまうと尿道閉塞という命に関わる状態になってしまうことがあるため早期発見、適切な治療が大切な病気です。