http://www.chiringi.or.jp/k_library/ippan/kisei/m-4.htm
直接塗抹法
竹串にウンチを少量取り、スライドグラス上で水と混ぜカバーグラスを置く。
ヨード染色すると糞線虫は染まらないので分かりやすい。
飽和砂糖水浮遊法(8g+10g水)
少しウンチを丸型試験管に取り、飽和砂糖水を1mlぐらい入れ、よくほぐす。
飽和砂糖水を5ml追加しよく混ぜる。沢山飽和砂糖水を入れ混ぜ、ギリギリまで飽和砂糖水を入れ、大きい残渣を除き、カバーグラスを置く。
30分放置。カバーグラスを取って顕鏡。
食塩より粘り気がありカバーグラスによく付着し、虫卵の変形が少ない。
10%ホルマリン遠心沈殿法(マンソン裂頭条虫)
①丸底スピッツに小指大の便を取り、10%ホルマリンを少し入れ竹串でよく撹拌し、ホルマリンを全量で8mlくらい入れ、30分間放置する。
➁三角スピッツにロートを置き、ガーゼを1枚敷き、よく混ぜてから濾し、ガーゼの上から10%ホルマリンを軽くかける。
③2000rpm、5分遠心後、上清を除去し、10%ホルマリンを7ml加え、沈渣を竹串でよく混ぜる。
④ジエチルエーテル3mlを加え、青いニトリル手袋をして親指で蓋をして、激しく混ぜる。
⑤2000rpm、5分遠心後、上清を除去し、顕鏡する。無染色で充分。
(ヨード染色:ヨードカリ2g、ヨウ素1g、蒸留水100ml)
検便で使用する便の量が限られていることや、寄生虫ごとに最適な検出方法が異なることなどから実際に検出できる割合は低いとされています。寄生虫にはプレパテントピリオド(宿主に感染後、虫卵や幼虫などを排出するまでの日数。その期間は寄生虫によりまちまち。)があり、その期間中であれば感染していても、虫卵は見つからないからです(これを“見かけ陰性”といいます)。また卵は、糞便中に均等に分布しているわけではないため、一般的な直接塗抹法と呼ばれる検査方法では、卵が検出できないことがあります。1度の検便では検出されないことがありますので、何度か検便(出来れば、浮遊法や遠心法)をして寄生虫の有無を確かめましょう。特に子猫の時期は複数回検便をしましょう。
定期的に検便を行うことは猫の健康を維持するだけでなく、人間への寄生の機会を減らすことにも繋がります。
主な猫の消化管内寄生虫:猫回虫、猫鉤虫、糞線虫、コクシジウム、ジアルジア
- トキソプラズマ、瓜実条虫、猫条虫、マンソン裂頭条虫
-
糞便検査において虫の卵を見逃す可能性
(Lappin 2002)
※浮遊法:集卵法と呼ばれる検査方法の1つ。試験管では虫の卵より比重の高い溶液に糞便を溶かし、虫の卵を浮かび上がらせる。卵の集まる表層部の表層部の液をとって顕微鏡で確認する方法。
虫の名前 プレパテントピリオド
(感染後、おなかの虫が卵を排出するまでの日数)犬回虫 21~42日 犬鉤虫 15~26日(経口感染の場合) 犬鞭虫 82日 瓜実条虫 14~21日 https://jp.mypetandi.com/pet/library/parasite/onaka/onaka06.html
https://www.oceans-animal-clinic.com/cat-parasite/
Withpety 猫の糞線虫
https://spl-withpety.com/dictionary/kiji/141.html
ひだまり動物病院 糞線虫
桟橋動物病院 ネコの猫糞線虫
まず検便(便検査)を受けてください。 下痢をしているならなおさら検便(便検査)は非常に重要になります。
寄 生 虫 検 査 (遠心浮遊法 沈殿法)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma1951/39/7/39_7_467/_pdf
①虫卵検査
採便は新鮮な便を母指頭大ほど採り、乾燥を防げる容器に入れる。
検査法は便の取り扱い方により直接塗抹法、集卵法(浮遊法、沈殿法)、蟯虫卵検査に使用するスコッチテープ法、糞便培養法などがある。
・直接塗抹法は、回虫卵の検出に適している。
・浮遊法は、比重の軽い鈎虫卵、東洋毛様線虫卵、回虫不受精卵、鞭虫卵、小型条虫卵、縮小条虫卵、無鉤条虫卵の検出に適している。
・沈殿法は、住血吸虫卵、大型吸虫卵、線虫卵、条虫卵の検出に適している。
②虫体検査
虫体の検出は、自然にあるいは駆虫薬投与により排泄させ、便を大型のガラス筒に入れ、水道水で攪拌洗浄しながら行う。
回虫、蟯虫、条虫などは便をよくかき混ぜて検出する。
鈎虫のような小さい虫体は便をふるいに入れ、水を流し込んで調べる。
〈注意点〉
採便後、速やかに検査室へ提出する(すぐに提出できない場合は4℃冷蔵保存し、できるだけ速やかに提出する)。
便を乾燥させない。
https://www.kango-roo.com/learning/1479/
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1542905630
https://www.fpc-pet.co.jp/dog/disease/205
https://illust44.exblog.jp/11421134/
犬 の 寄 生 虫 検 査 法
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma1951/12/1/12_1_39/_pdf/-char/en
人体寄生線虫卵 とま ぎらわ しい人尿中の不明線虫卵 について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1952/8/1/8_1_57/_pdf/-char/ja
おだかわ
https://www.odagawa.net/blog/2014/11/entry-625-10731.html
犬猫の体にはさまざまな寄生虫がいます。ノミやダニなど体の表面に寄生するものを「外部寄生虫」といい、体の内部に寄生するものを「内部寄生虫」といいます。
イヌによくみられる内部寄生虫には、回虫、条虫、鉤虫、鞭虫、フィラリア(糸状虫)などがあります。これらをまとめて蠕虫(ぜんちゅう)といい、蠕虫を駆除する(殺して体の外に出す、あるいは体内で吸収させる)薬を駆虫薬といいます。
蠕虫のほとんどは小腸や大腸などの消化管に寄生しますが、一部はほかの臓器の中に侵入します。一般に、消化管内の寄生虫はあまり悪さをしませんが、寄生虫の数が多いときや、抵抗力のない子イヌが寄生虫に感染した場合、イヌの栄養状態が悪化して問題が生じます。また、寄生虫が臓器の中に入りこむと、いろいろな障害をおこします。
★回虫
小腸に寄生します。一般に成犬ではなく、子イヌの小腸にみられるのが特徴です。
成犬の体にもいろいろな臓器の中に回虫の幼虫がひそんでいます。
これに感染したメスが妊娠すると、胎盤を通して子イヌに幼虫が移ります。
そのため生まれてまもない子イヌのおなかの中で幼虫が成虫になり、
腸のはたらきをおかして、ときには死に至らしめます。
★条虫
条虫にはマンソン裂頭条虫、瓜実条虫(イヌ条虫)、単包条虫、多包条虫など
があります。
マンソン裂頭条虫は、俗にサナダ虫とよばれる細長いきしめんのような寄生虫です。
瓜実条虫は、イヌの便の中から瓜のタネに似た体節が見つかることから
この名があり、日本のイヌによくみられます。
マンソン裂頭条虫の感染は、イヌがこの寄生虫をもつカエルなどを食べること
によっておこります。瓜実条虫はノミやシラミを介して感染します。
条虫に感染してもほとんどの場合、めだった症状はあらわれません。
しかし、感染の程度がひどいと発育不全、栄養障害、腹痛、下痢などの症状が
おこります。
★鉤虫
小型の寄生虫で、小腸に寄生します。イヌが土や水の中にいる幼虫を
呑みこんだり、皮膚から虫が体に入ることによって感染します。
鉤虫はイヌの腸の壁にはりついて多量の血を吸うので、貧血になります。
とくに子イヌの場合、その症状は重く、しばしば死に至ります。
★鞭虫(犬)
盲腸に寄生します。
ひどい場合は盲腸に炎症がおき、下痢や血便などをひきおこします。
これらの内部寄生虫が寄生していることがわかれば、ただちに駆虫薬を与えます。
●一般の駆虫薬
→回虫や条虫などを殺す
→駆虫薬にはいろいろな種類があり、多くの寄生虫に効果があるものや
特定の寄生虫にしか効かないものがあります。
▲マクロライド類
回虫をはじめとするほとんどすべての蠕虫に有効です。
とくにフィラリア(イヌ糸状虫)の感染を予防する薬として広く
用いられているため、この予防をしていれば自然と回虫、鉤虫の駆除を
していることになります。
これにはイベルメクチン、ミルベマイシンオキシム、モキシデクチンなど
があります。
▲ベンズイミダゾール類
回虫、鉤虫、鞭虫、さらに条虫や吸虫と幅広い効果があり、
安全性にもすぐれているため、イヌの駆虫薬としてはもっとも多く
用いられている薬です。
この薬は、寄生虫の細胞の骨格にあたる微小管に強く作用して、
細胞を変化させ寄生虫を餓死させます。
フルペンタゾール、パーペンタゾール、フェバンテルなどがあります。
▲その他の薬
ピペラジンは回虫と鉤虫に効果があります。
古くから使用されており安価な薬ですが、安全性と有効性に問題が
あるため、最近では少しずつ使用頻度がへっています。
プラジクアンテルは条虫に効きます。経口剤のほかに注射剤もあり、
安全性が高いためによく使われます。寄生虫の体表の細胞を変化させて
殺しますが、虫がブドウ糖を吸収するのをさまたげたり、けいれんを
おこさせてまひさせる作用もあります。
ニトロスカネートは回虫、鉤虫、条虫(イヌ条虫)に効果を発揮します。
パモ酸ピランテルは回虫、鉤虫、鞭虫に効果があり、よく使われます。
寄生虫の筋肉を興奮させ、けいれん性のまひをおこします。
ブナミジンは条虫に使用します。寄生虫がブドウ糖を吸収するのをさまたげ、
駆虫効果を発揮します。
ほかにピランテル、ジクロロフェン、ジソフェノール、アレコリンなどが
あります。
☆使用のときの注意
駆虫薬を与えると、副作用として嘔吐、下痢、食欲不振などがおこります。
しかし駆虫薬は長期にわたって投与しつづけるものではなく、通常は1回、
多くて2~3回投与すれば、寄生虫は駆除されます。
したがって副作用が問題となることは少ないようです。
ただし、ある種の駆虫薬には催奇形性(胎児の奇形を生じる危険性)があります。
また、イヌの種類によって駆虫薬に対する反応が異なります。
駆虫薬を用いるときは、イヌの健康状態や妊娠の可能性などを考え、薬を
与える時期や量などにも十分な注意をはらいます。