「ビートパルプの特徴は、ペクチンの含量が多いことです」
ビートパルプに含まれるペクチンは繊維の一種であり、ルーメン内の微生物によって分解されると、主に酢酸が生成されます。また、ペクチンの消化速度は糖やデンプンと比べて緩やかです(図2)。さらに、ルーメン内の揮発性脂肪酸の割合が酢酸優勢である時はpHが6.0~7.0に保たれるので、ルーメン発酵の安定につながります。
ペクチンとは食物繊維の一種で、植物細胞をつなぎ合わせる働きをしている天然の多糖類で、量的な違いはありますが、あらゆる果物や野菜に含まれています。
ゼリー化(ゲル化)作用をもつ成分であることから、1825年にアンリ・ブラコノーによってギリシア語の「pektos:硬い」にちなみ「pectin:ペクチン」と名付けられました。
ペクチンは水に溶けるとゼリー状にかたまるため、便秘のときは、水分のなくなった便をやわらかくして排便をうながし、下痢のときは、ゼリー状の膜になって腸壁を守ります。 コレステロール値の上昇を抑え、動脈硬化の予防にも役立ちます。 さらに、乳酸菌などの腸内の善玉菌を増殖させます。
ロイヤルカナンの栄養成分辞典より
ビートパルプ / チコリーパルプ
分類:食物繊維(源)
基本情報/一般的な供給源
体内での働きと、フードにおいて期待される役割
【
のサポート】- ●可溶性繊維と不溶性 をバランスよく含み、消化管内容物の輸送を調節するとともに、一部は大腸の細菌叢により分解されて発酵し、プレバイオティクス成分として働く。
【その他】
- ●糖尿病犬の食後血糖コントロールにおいて様々な報告があるが、現在ではビートパルプのような可溶性繊維と不溶性繊維のどちらも中程度に含む食事が適切と考えられている。
- ●また との混合物により、犬の血中脂質を低下させたという報告もある(Diez 1997)。