tama’s diary

慢性腎臓病の猫の治療記録

皮下点滴と静脈点滴

皮下点滴と静脈点滴
人で点滴というと基本的には静脈点滴になります。

動物の場合には、皮下点滴と静脈点滴があります。

皮下点滴の場合には、通常肩甲骨の部分に点滴を入れます。

決まった量がないので、犬だと50~500ml(大型犬の場合など)

猫だと50~250ml位入れることがあります。

慢性腎不全の場合には、自宅で実施してもらうこともありますが、皮下点滴の適切な量と効果についてのしっかりとしたエビデンスは今のところありません。しかしながら治療している獣医師は、多少なりとも効果は実感していることが多いです。

メリットは、①短時間でできる ②自宅でも可能(病院によって実施して良いという場合とだめな場合があります) ③安価 ④入院しなくてすむなどです。

デメリットは、薬などを混ぜにくい。おもりの測定器を使用しないとどの程度の量が入ったかの正確性が低い。

静脈点滴の場合、血管に持続的にゆっくり入れるため心臓が悪い場合なども良いことが多いですが、急速に入れられないので半日~数日の入院が必要になります。

ある程度のブドウ糖や脂質・アミノ酸も入れられますが、1日必要な栄養となると高栄養輸液になり血管が炎症を起こしやすくなるため小型犬や猫では、前足の血管だけでは難しいです。人と違い、動物の性格、飼い主さんの性格、現在の病気と状態の良し悪しなどトータル的にどの方法が良いのかを相談して決める必要があると思います。

https://www.ah-sakurayama.com/2020/08/25/%E7%9A%AE%E4%B8%8B%E7%82%B9%E6%BB%B4%E3%81%A8%E9%9D%99%E8%84%88%E7%82%B9%E6%BB%B4/

 

本当に最期を迎えようとしているときの輸液療法の効果については、人の緩和医療でも賛否両論あるようです。輸液を行うことが苦痛の緩和になっているかどうか、どうぶつの状態をよく見極めて行う必要があるでしょう。
また、十分な食事がとれなくなった場合に栄養分やカロリーの補給を目的として行われる輸液療法(高カロリー輸液)もあります。この場合の輸液剤には、高濃度の糖分やアミノ酸、脂肪分などが含まれたものを使用します。一般的に高カロリー輸液は、末梢の細い静脈を利用した静脈輸液や皮下輸液で行うことはできず、中心静脈といわれる心臓の近くにある太い静脈に専用のカテーテルを入れて行うため、通常、入院で行います。高カロリー輸液を行うことで栄養的なサポートをしてあげることが可能ですが、ターミナル期のどうぶつには、状態によって無理な栄養補給がかえって身体の負担になる場合もありますのでよく 検討してから行う必要があります。

https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1386

 

・ALL動物病院 行徳

https://www.wizoo.co.jp/infomation/disease/%E6%B3%8C%E5%B0%BF%E5%99%A8%E7%A7%91/2021/3435/