サイリウムはオオバコ科オオバコ属の一年草で、エダウチオオバコやインドオオバコの種子または種皮のことです。エダウチオオバコは日本全土でみられる野草で、道端や公園などに生えていることもあります。インドオオバコは主にヨーロッパやインドに生育しており、サイリウムの中で最も多く流通しています。
サイリウムの健康効果とは?
・便秘解消効果
サイリウムは食物繊維が90%含まれており、水を吸うと膨らむ性質を持っているため、便のかさを増やし、便秘を解消する効果が期待できます。また、食物繊維は善玉菌の良い餌となり発育を促します。善玉菌が増えると悪玉菌にとっては住みにくい環境となるため、腸内環境が良くなることに繋がります。
・コレステロール値を下げる
サイリウムは軽度から中等度の高コレステロール血症の患者のコレステロール値を低下させる効果があることが分かっています。実験ではサイリウムを1日に10~12g、7週間以上摂取したところ、総コレステロール値が3~14%、LDLコレステロールが5~10%低下しました。6か月摂取後にはさらにコレステロール値の低下がみられており、サイリウムに含まれる粘着物が胆汁酸と結合することにより、コレステロールから作られる胆汁酸塩を増加させる一方で、便として排泄させるためであると考えられています。
・2型糖尿病患者の空腹時血糖値を低下させる
サイリウムを6週間、毎食前に5g摂取した2型糖尿病患者の空腹時血糖が低下した、という研究結果があり、サイリウムが2型糖尿病におそらく有効であることが示唆されています。ただし、糖尿病薬を内服している場合には、血糖値が下がりすぎてしまったり、治療に支障をきたしたりする可能性があるため、自己判断でサイリウムを飲み始める前に必ず主治医に相談しましょう。
・痔症状の改善
痔症状のある患者にサイリウムを1日に20g、6週間摂取した結果、排便時の出血と痛みが減少したということが研究で明らかになっています。
サイリウムを摂取する際の注意点
サイリウムは摂り過ぎると下痢や胃痛を生じる可能性があります。サイリウムの摂取上限量は「1食4~8g、1日10~20g」程度で、商品によって異なります。パッケージに記載されている摂取上限量を必ず守りましょう。また、サイリウムは必ず溶かしてから摂取します。そのまま摂取してしまうと、窒息のおそれがあるためです。腸管の中で停滞してしまわないよう十分な量の水とともに摂取するようにしましょう。
また、以下の場合が当てはまる場合にはサイリウムを摂取しないでください。
・大腸がん
・腸閉塞
・食道狭窄
・異常な腸の狭小化がある人
・嚥下障害
さらに、サイリウムを摂取すると一部の医薬品の吸収を阻害する場合があります。服薬中の場合は、サイリウムを摂取する前に医師や薬剤師に相談しましょう。
飲み合わせに注意が必要な薬の例
・リチウム(抗うつ薬)
・糖尿病治療薬
・降圧剤
・ワルファリン(抗凝固薬)
・ジゴキシン(強心薬)
・エチニルエストラジオール(性ホルモン剤)
・鉄サプリメント など
水分摂取が不足していると、摂取後におなかが張ってしまったり、便秘になってしまったりする場合があるためです。
一度の摂取に対して、コップ1~2杯分くらいの水分摂取が目安です(人間)。
おすすめなのは、食事の2時間ほど前に摂取しておくことです。置き換えダイエットに使用する場合は、食事の時間に通常の食事の代替として摂取します。
逆に、食事と一緒に飲み物として摂取するのは避けましょう。食事に含まれる必要な栄養素の吸収阻害につながる恐れがあるためです。 ただ、料理にアレンジして使用する場合はこの限りではありません。
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/ohbako-diet/
オオバコに含まれる水溶性食物繊維は腸内細菌を増殖させ腸内にある悪玉菌を減らす効果があり腸内環境を整えてくれるのです。 また不溶性食物繊維には水分を吸収し膨張することで腸を刺激します。 さらに水分を含むことでドロドロの粘液状になり、便をスムーズに排泄する効果などにより便秘解消効果が期待できる。
●コミッションE(ドイツの薬用植物の評価委員会)
ブロンドサイリウムの種子および種皮について、慢性便秘、便を軟らかくして排便を容易にすることが望まれる疾患(裂肛、痔核、直腸および肛門の手術後、妊娠中)、下痢の補助的治療、過敏性大腸の治療に対する利用を承認しています。また、ブラックサイリウムの種子について、慢性便秘と過敏性腸症候群に対する利用を承認しています。
●相互作用に気をつける薬は?
・カルバマゼピン(テグレトール)→オオバコの種子により薬剤の消化管吸収が減少し、血中カルバマゼピン濃度が低下します。
・炭酸リチウム(リーマス)→オオバコの種子による消化管吸収の減少により血中リチウム濃度の減少、作用が減弱されます。
・ジギタリス製剤→ジゴキシン(ジゴキシン)、ジギトキシン(ジギトキシン)、メチルジゴキシン(ラニラピッド)、ラナトシドC(ジギラノゲンC)→オオバコの種子により薬剤の消化吸収が減少し、血中ジゴキシン濃度が低下します。
・高脂血症用剤、緩下剤→作用が増強します。
・鉄製剤(フェロミア、フェロ・グラデュメット)→キレートを形成し、相互に薬剤の吸収が阻害されます。
・ワルファリンカリウム(ワーファリン)→オオバコの種子により薬剤の消化吸収が減少し、血中濃度が低下します。
・糖尿病薬→Ⅱ型糖尿病患者の血糖値を低下させるため薬剤の効果を増強する可能性があります。
http://www.advance-create.com/new/souda_26.html
ロイヤルカナンの栄養成分辞典より
https://www.royalcanin.co.jp/dictionary/nutrients/%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%aa%e3%82%a6%e3%83%a0
サイリウム
分類:食物繊維(源)
基本情報/一般的な供給源
- ●可溶性繊維を豊富に含み、水に溶けてその重量の10倍もの水分を吸収し、ゼリー状になるが、大腸ではごく一部しか発酵されないなど、独特な特徴を持つ。
- ●イランやインド原産のオオバコ種子や種皮に含まれる。
体内での働き
- ●サイリウムは保水力が高く、水分を吸収するとゼリー状になって膨らみ、粘性を持つことから様々な働きをもつ。以下の働きについて、犬や猫での報告がある。
【
】- ●便を軟らかく保ちその排泄を促進するため、便秘を緩和する(Voderholzer 1997 , Freiche 2011)。
【】
- ●腸管内粥状物の粘性を増し、糞便の進行を調節するため、下痢を緩和する(Bliss 2001)。
【体重管理】
- ●胃の内容物が小腸へ流入する時間を遅らせるため、満腹感の持続をもたらすとともに、適切な の消化を助ける(Xu 2005)。
【糖尿病】
- ●消化管粘膜表面への糖の輸送を緩やかにするため、糖尿病のネコの食事管理に有用性が高いと考えられている(Nelson 2000)。
※一般的な可溶性繊維は腸内細菌によって発酵するが、サイリウムは発酵性が低いため、その性質を保ったまま排泄されるという特徴をもつ。よって消化に対する許容性を変化させることはない。
フードにおいて期待される役割
【
】- ●水分保持によるスムーズな排便を促す(Freiche 2011)。
【軟便傾向あるいは
】- ●余分な水分を取りこむことにより、下痢を改善(Bliss 2001)。
【体重管理】
- ●消化管の通過速度を調節し満腹感を与える(Xu 2005)。
【糖尿病】
- ●糖の吸収を緩やかにする(Nelson 2000)。
【
のケア】- ●消化管内の毛をからめとり、糞便中に排泄する(Dann 2004)。