tama’s diary

慢性腎臓病の猫の治療記録

猫 食後の尿のpH変化

 

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1402222692

正常人の尿は,弱酸性でpH6.0程度であるが,食事の内容によってpH4.5〜8.0の間を変動する.動物性食品では酸性,植物性食品ではアルカリ性に傾きやすい.発熱,下痢,脱水では酸性となり,激しい運動後には一過性のlactic acidosisにより酸性になることが多い.尿pHには日内変動があり,睡眠時は換気量の減少のため呼吸性acidosisとなり,酸性尿になる.午前中には,夜間に蓄積したHCO3-が排泄されるために,アルカリ尿となる.また,食後には,胃酸が分泌され,血液がalkalosisに傾き,アルカリ尿となる.

 腎における酸塩基平衡の調節は,①H+の排泄,HCO3-の再吸収,②リン酸,乳酸などの滴定酸の生成,③NH4+の排泄などにより行われている.ネフロンの近位部では,大量のH+が排泄されるが,糸球体濾液中のHCO3-によって中和されるため,pHの変動は少ない.しかし,ネフロンの後半では,HCO3-が少ないため,H+の分泌に伴って,pHは低下する.最終的に,尿のpHを決定するのは集合管以下である.尿のpH異常をきたす疾患を表に示した.

https://www.mrso.jp/inspection/226.html

尿PHを調べる目的
腎臓には、血液のPH(水素イオン濃度)を弱アルカリ性に保つ働きがあります。尿PH検査は、腎臓がこの働きをきちんと行っているかどうかを調べる目的をもっています。

体内では、代謝によって酸がつくられます。そのままだと体内に酸が溜まって酸性になってしまうため、呼吸や排尿によって酸を排出してバランスをとっています。しかし腎臓の機能が低下しているとうまく酸が排出できなくなり、血液を弱アルカリ性に保つことができなくなってしまいます。

尿PHは食べ物の影響を受けるため、食生活が整っているかを知ることもできます。肉、魚、乳製品などの動物性食品を多く摂ると、尿PHは酸性に傾きます。低栄養、水分不足の状態でも、酸性となります。穀物、野菜、果実などの植物性食品を多く摂ると、尿PHはアルカリ性に傾きます。

尿酸が関節に溜まって強い痛みを引き起こす痛風や、血糖値が高くなってしまう糖尿病など、いろいろな病気を発見する目的もあります。尿路に感染があると、尿PHはアルカリ性に傾きます。

尿PHに異常があると尿路結石ができやすくなるため、尿路結石の予防にも役立ちます。尿PHが酸性だと尿酸結石、シスチン結石が、尿PHがアルカリ性だとリン酸カルシウム結石、リン酸マグネシウムアンモニウム結石ができやすくなります。

尿PH検査で見つけられる病気
尿のPHを調べることで、次のような病気の診断に役立てることができます。

尿PHが基準値より低い(酸性)場合
 ●高尿酸血症痛風
 ●糖尿病
 ●発熱をともなう病気
 ●低栄養
 ●脱水  など

 

 

  尿PHが基準値より高い(アルカリ性)場合
 ●膀胱炎
 ●尿道
 ●腎不全
 ●嘔吐  など

 

 

  

 

 

 

 

尿PH検査の結果数値の見方
尿検査における尿PHの基準値は、PH4.6~7.5の弱酸性です(国立がん研究センターより)。PHが低いと酸性、高いとアルカリ性になります。

尿PH検査の長所/短所
尿PH検査のメリットは、少量の尿で手軽に検査できるところです。検査結果も数分で分かります。

デメリットは、尿の状態によって検査結果が変わってしまうところです。採尿した尿は、時間が経つごとに状態が変化していきます。時間の経った尿だと尿PHが高くなってしまうため、正確な結果を知るためにもできるだけ新鮮な尿を検査することが大切です。

採尿時の体調によっても、検査結果が変わることがあります。月経中には採尿に赤血球が混じってしまうため、正確な結果を知ることができません。薬を服用している場合にも、検査結果に影響を与えることがあります。月経中、服用している薬がある場合には、あらかじめスタッフに申し出てください。

食事も検査結果に影響します。動物性食品を多く摂ると酸性に、植物性食品を多く摂るとアルカリ性になりやすくなります。激しい運動をしたあとにも、酸性に近くなります。

 

 

 

 

 

猫の下部尿路疾患と尿pH、食事の関係について知ろう。

猫の下部尿路疾患と尿pH、食事の関係について知ろう。

猫に多いトラブルのひとつがオシッコに関するもの。「下部尿路疾患」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。この言葉は、猫の尿道や膀胱などに関連する病気の総称で、膀胱炎やストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石などが含まれています。
これらの病気と関係しているとされているのが、猫の尿pHです。猫の尿pHについて正しく知ることは、健康管理に役立つはずです。今回は、猫の尿pHの管理に関する情報をまとめてみました。

下部尿路疾患と猫の尿pH値の関係

尿pHとは、その名の通りオシッコのpH値が酸性/アルカリ性どちらに近いかを表す指標です。
一般的に、ストルバイト結晶(ストルバイト結石)やシュウ酸カルシウム結晶(シュウ酸カルシウム結石)などは、尿pHがアルカリ性や酸性に傾いた状態が長く続くことでできやすくなるといわれています。尿のpHがアルカリ性の状態が長く続くとストルバイト結晶ができやすいということをご存じの方は多いですよね。アルカリ尿の状態が続くと、膀胱の中で雑菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎も引き起こされやすくなるので注意が必要です。下部尿路疾患の予防としては、この尿pHを適正に維持することがとても大切になります。

では、なぜ猫の尿pHはどちらかに傾くということが出てくるのでしょうか?

シュウ酸カルシウム結晶・シュウ酸カルシウム結石の原因について

*1 シュウ酸カルシウム結晶とシュウ酸カルシウム結石は、尿pHの値だけではなく食事に含まれるカルシウムのバランスなどによっても起こりやすくなるといわれており、尿pHだけが主要な原因ではないともいわれています。

消化液の影響で尿pH値は変化する

猫の尿pH値は食事のあとすぐにアルカリ性に大きく傾き、その後徐々に酸性に戻っていく、といわれています。
まず、猫がご飯を食べると食事を消化吸収するために、強い酸性を持っている胃液が分泌されます。胃液で溶けた胃の内容物は当然酸性なのですが、小腸で栄養を吸収させるために膵臓(すいぞう)からはアルカリ性の膵液(すいえき)が分泌されます。

これらの消化液や食べ物に含まれているミネラルの影響を受けて、尿pHは著しく変化していきます。

一般的には、食後に遊んだり適度な運動をすることによって血液中に乳酸が増加したり、睡眠時に尿pHを酸性にする働きによって、猫の尿は膀胱の中で徐々に弱酸性に傾き、安定するといわれています。
食後すぐの状態で大きく変化した尿pHが、徐々に適正値に戻っていくのが理想です。猫の健康管理のためには、尿pHを適正値に戻すことができているか?が大切になってきます。

食事の内容によって尿pH値は変化する

 

私たち人間や猫が食べる食べ物には酸性食品」「アルカリ性食品と呼ばれる分類があります。これらの食品を食べることで、尿pHも変化します。
では、この酸性食品アルカリ性食品はどのように分けられているのでしょうか。

酸性食品/アルカリ性食品は、それぞれの食品に含まれているミネラルが酸性なのか、アルカリ性なのかで決められています。
酸性を示すミネラルには、塩素、リン、硫黄などが含まれ、アルカリ性を示すミネラルには、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどが含まれています。これらのミネラルが酸性、アルカリ性どちらが多いかによって分類されているというわけです。
勘違いしやすいのですが、酸っぱい食品=酸性食品、苦味がある食品=アルカリ性食品とは限りませんので、注意してくださいね。

猫の主食となるキャットフードでは、もちろんこれらの食品を組み合わせることで、猫の尿pH値が適正に近付くように設計されています。
ただ、猫にオヤツを与える時には、与えすぎてしまうことで尿pHが変わってしまうこともありますので、注意が必要です。
特に食事のあとに尿pHに影響するオヤツを大量に与えてしまうと、尿pH値が正常に戻る妨げになるかもしれません。下部尿路疾患に気を付けるためには、オヤツの量や与えるタイミングにも注意してみてくださいね。

酸性食品アルカリ性食品の1例

酸性食品:卵黄、玄米、マグロ、鶏肉、サーモン、豚肉、牛肉、ソラマメ、白米

アルカリ性食品:コンブ、インゲン、シイタケ、ホウレン草、大豆、バナナ、ニンジン、イチゴ、ジャガイモ

これらの食品は一例です。どんなものでもそうですが、オヤツの与えすぎは控え、適量を楽しくが基本です。尿pH値が偏り、結石などができてしまう時には、極端に「酸性」あるいは「アルカリ性」に食事内容を変更するのではなく、今までオヤツなどを与えすぎていないかをチェックするようにしたいですね。

おわりに猫の健康維持のために

猫のオシッコトラブル(下部尿路疾患)を避けるためには、猫の尿pHの数値を継続して調べることがオススメです。猫のオシッコの尿pHの数値を自宅でチェックできる便利なものもあるので、過去にオシッコトラブルに悩んだことがある場合はぜひ活用してみてくださいね。
尿pHの数値を測るなら、食事を食べた直後は避け、朝起きてから最初にした尿で調べることがオススメです。食事と食事の間、十分に時間をあけてから調べるようにしてくださいね。

猫の健康的な尿pHの数値は、pH6前後だといわれています。猫の尿pHが安定しなかったり、どちらかに傾いている状態が続いているようであれば、サプリメントの力を借りたり、動物病院で相談してください。

https://www.tamaone.jp/ext/magazine/2020/04/what-means-urine-ph.html

 

尿pHのアルカリ化

ストルバイト結石は、アルカリ性と酸性で表される尿の性質「pH」がアルカリ性に傾くと発生しやすいと言われています。猫の健康的なpHの値は6.5前後とやや酸性ですが、このpHの値は1日の中でも食事の前後や活動量によって変動します。

例えば、満腹時や消化の最中は体内の酸が消化に集中するため尿のpHの値はアルカリ性になり、運動をすると乳酸によって尿のpHの値は酸性に向かうといった具合にpHの値に変化が起きます。

尿のpHがアルカリ性に傾く主な要因としては、上記の下部尿路の炎症のほかに、ストルバイト結石の構成要素である「リンとマグネシウムの過剰摂取」「一度に大量の食事を与えること」「消化の悪い食事を与えること」「運動不足」「太りすぎ」など生活習慣による影響も考えられています。

https://www.gpn-inc.co.jp/column/struvite-stone

 

いつまでも尿のpHが酸性にならないのは何故?


先に述べたように一時的にアルカリ尿になっても、その後に酸性尿の時間を長く保つ事が出来れば大事に至る事は無いと言いましたが、いつまで経ってもアルカリ尿のままのケースがあります。こうなるとストルバイトの結晶を溶解するタイミングを失い、どんどん結晶が生成され続け大きな結石になってしまいます。

それでは何故アルカリ尿のままなのかを考えていきます。原因の多くが「ダラダラ食い」です。これは特に猫に多く、お皿に常にドライフードが入ってる状態にしておき、いつでも好きな時に好きな量だけ食べられる状態です。満腹にはなりませんが、逆に空腹にもなりません。そうすると、尿のpHは常にアルカリに傾いたままになります。その結果ストルバイトの結晶が溶けるタイミングを失い大きな結石になってしまいます。他にはおやつの与え過ぎです。1日に1回のおやつは悪いとは思いません。しかし2回も3回も、中には5回も6回も与える方もいます。これでは常に尿のpHがアルカリに傾いたままになります。何度も言うように空腹時間を作り胃を休めないと尿のpHは酸性に傾いてくれません。

おやつを与えずダラダラ食いもしていないのに何故?


おやつを一切与えておらず、ご飯も1日2回きっちりと時間を決めて与えているにも関わらずストルバイトになる場合があります。これは食事内容に問題があるケースが多いです。
尿の酸性化には胃を休める事が大事と言いましたが、同時に内臓に優しい食事も大切です。
ここ数年は犬や猫は元来肉食だからと言う理由で高たんぱくなフードが多く目立ちます。これからのフードが悪いとは言いませんが、肉食の食生活を実践するのではあれば、ご飯の回数は1日1回で充分でしょう。いや、数日に1回でも良いかと思います。野生のトラやライオンは毎日狩りはしません。一度食べれば長時間胃を休めます。なのに高たんぱくなフードを1日に何回も与え、尚且つおやつも食べ、トッピングもしたり、中には高たんぱくなフードをダラダラ食いしたり・・・・。これでは胃を休ませれないどころか、内臓に過度の負担が掛かります。こうなると食後の尿のpHが強くアルカリ性に傾き、pH8.0やpH8.5などの異常的な数値が見られる事になります。

https://www.bros-online.jp/diary-detail/103