tama’s diary

慢性腎臓病の猫の治療記録

猫 早朝高血圧 テルミサルタン(セミントラ)

高齢猫が1週間前にネスプを投与してから血圧が高くなっている。

特に朝は180/140。200を超えることもある。早朝高血圧だろうか…

 

血圧は1日の中で大きく変動します。この血圧の変動を「血圧日内変動」といいます。血圧は夜になるにつれて下降し、睡眠中にさらに低くなり、起床とともに上昇します。
健康な人でも朝起きて活動を始めると血圧が上がりますが、早朝に血圧が急上昇するのは問題です。
早朝高血圧は、心筋梗塞脳卒中などの脳心血管疾患イベントにつながる可能性が高く、夜間や早朝の血圧コントロールが重要視されています。

早朝高血圧とリスクについて…

●高血圧持続型
睡眠中も血圧があまり低下せず、早朝まで持続して血圧が高くなるタイプです。糖尿病の人や腎臓障害がある人、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人などに多いといわれています。就寝中に血圧が高いと心臓や血管に負担を与えてしまい、脳心血管病を起こすリスクが高まるといわれています。
●モーニングサージ型
寝ている間にいったん血圧が下がるものの、明け方から起床時にかけて急激に血圧が上昇するタイプです。高齢者や血糖値・コレステロール値が高い人、アルコールを多飲する人に起こりやすいので注意が必要です。日本人に多い脳卒中はモーニングサージとの関連が指摘されています。

 

【図A 心筋梗塞と脳梗塞の発症】

https://www.healthcare.omron.co.jp/zeroevents/bloodpressurelab_basic/contents1/125.html

早朝高血圧を引き起こす原因としては、次のようなものがあり、当てはまる方はそれぞれの原因への対処が必要となります。

○アルコール
○起立性高血圧(立ち上がると血圧が高くなる)
動脈硬化の進行
○血圧を下げる薬の効く時間が短い
○朝の冷え込み
○喫煙
○血管のしなやかさの低下
睡眠時無呼吸症候群(睡眠中に呼吸が止まっている時間帯がある)

https://www.takeda.co.jp/patients/hypertension/qa602.html

早朝高血圧のタイプには、夜間高血圧から血圧が下がらないまま早朝高血圧に移行するノンディッパー型と、夜間は血圧が低く朝方に上昇するディッパー型があり、ノンディッパー型の方が危険性が高いといわれています。

  早朝高血圧の治療は、これまで服用してきた薬の種類などによって、治療の方針が決まってきます。降圧薬の作用が短いために朝まで十分に効いていない患者は、長時間効く降圧薬に切り替えます。また、朝の薬を夕食後に服用したり、朝夕に分割したりして服用することもあります。

 このような目的に使用される降圧薬としては、持続型カルシウム拮抗(きっこう)剤(CCB)とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)(テルミサルタン:セミントラ)が一般的です。CCBは、血管を拡張させて24時間以上にわたって血圧を下げます。安全性が高く、確実に血圧を下げるとされています。ARBは、血圧を上昇させるホルモンの作用を抑え、早朝高血圧に効果的とされる薬剤です。

 ご質問にある利尿剤も、体内の塩分や水分の排泄(はいせつ)を促して血圧を下げ、特に早朝高血圧に有効です。少量をARBと併用することで副作用を抑え、高い降圧効果が期待されます。しかし、利尿剤は高熱、下痢、嘔吐(おうと)のときは脱水に注意が必要ですし、痛風高尿酸血症、糖尿病に悪い影響を与えることがあり、注意が必要

 最近は、それぞれの薬剤を一つにまとめた合剤も発売され、服薬が簡便になっている

 家庭血圧の管理は、上(収縮期血圧)が135mmHg未満、下(拡張期血圧)が85mmHg未満を目標にします。しかし、糖尿病や心臓病、腎臓病など合併症によって、この降圧目標は変わってきます。血圧の経過によって薬剤を増やしたり変更したり、また減量する場合も出てくると思われます。家庭血圧や血液検査などの指標を参考に、かかりつけ医と十分に相談しながら治療を続けてください。

徳島新聞2011年5月8日号より転載

https://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/233-2934

 

ヒト:早朝高血圧の治療法 降圧薬の処方が不適切だった症例

Q: 70歳男性、健診で高血圧を指摘され来院。血圧150/85㎜Hgで、Ca拮抗剤投
与と減塩などの生活指導を行い、120〜130/60〜70㎜Hgと安定しました。最近、
夕方から夜間のふらつき、立ちくらみを訴え、24時間血圧測定を行ったところ、
夕方は90/50㎜Hgと低く、早朝140/85㎜Hgと高い結果が出ました。

A: この患者さんの場合は血圧が150/85㎜Hgと、それほど血圧が高いわけではなく、しっかり減塩など生活指導もされているので、もしかしたら薬はまだいらない症例なのかもしれない。降圧薬を投与したことによって、ちょっと下がり過ぎてしまったということだと思います。

https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/160860.pdf